結婚できるのか

姉(私の就職に多大な影響を以下略)が彼氏と車ではるばるやってきた。挨拶兼父の誕生日を祝いに。
今日は偶然二人とも休みで、姉の寮に来ていた彼氏が無印の紙袋に入った父へのプレゼントを見つけたことが発端だったらしい。「じゃ車で行こうか」となったそうだ。彼氏さん、すげえ決断力だ。
そんなこととは露知らず、この家族三人は母の要望(職場の同僚とのゴルフ大会の会場への行きかたを調べたいというもの)により、隣市へとドライブの後、父の誕生日とあって昼食を寿司屋で摂っていた。
たまにしか出来ない贅沢に満足しながら帰宅すると、鍵の置き場所が出かけたときと違っていた。不信感を覚えつつも鍵をあけて中に入るとそこには。無印の紙袋とケーキ類の入った紙袋、それに日本酒。
なんだこれ!次女からプレゼントが届いてるぞ!何がおきたんだ!まさかヤ●ト運輸の人が鍵の置き場所を知ってて、玄関を開けて荷物を置いて律儀に鍵をかけなおして戻っていったのか!?いやまさか!んなわけあるかバカヤロー。よく見てみなよ宛先カードないよ。じゃあなんだあいつは連絡もせずに帰ってきたのか!第一今日は平日だ!もちつけとりあえずもちつけ!!仮に次女が帰ってきたとするとあいつはどこに行ったんだ!?…延々。
そんなところに呑気に次女登場。
「お帰りー。今日休みだったから来ちゃったー」
おおお!びっくりしたぜよ!(龍馬風)なんて思いながら姉から事情を聴いたところ、家に着いたはいいものの留守だったために麓に降りて食事を摂ってきたとのこと。母と私は納得して「じゃあ挨拶だけしようか」と話をしていた。だがしかし。父は一人「なにー!?」と動揺しまくっていた。
それもそのはず。父は二人の関係に猛反対をしているのだ。(母も賛成はしていないが)
姉が帰省するときにはさりげなくしかし何度も『結婚は許さん』ということを匂わせていたと言うのに、その彼氏と一緒に自分の誕生日プレゼントを届けに家までやってきて、挨拶する場を設けるという行動に出た姉に参っていたようだ。
しかし父は平静を取り戻し、挨拶だけはした。本当に簡単なものだったけれど、私が彼から受けた印象は良いものだった。あらかじめ脳に刻み込まれた情報を無視して彼を見た結果。
けれど父も母も「結婚はまだ許せない」そうだ。
その理由とは、『彼氏がバツイチ。前妻との間にまだ小さい子供がいて、マイホームも購入済だったのに、彼の浮気が原因で離婚。』ということである。
仮に二人が結婚したとすると。住宅ローン+養育費等その他諸々で共働き公務員であっても家計は火の車になることは必須。そして一度浮気をした男はまた浮気を繰り返すかもしれないという不安が拭い去れない。父曰く「不幸になる可能性の高い輩のところに娘を嫁に出すなんてできるか」ということらしい。

私は自分の人生は自分で決めるのが正しいと思うので、もし姉が不幸になればかわいそうかもしれないけれど、いくら家族といってもあくまで一個人。姉が決めたことならばそれはそれでいいのでは…?という気持ちなのだが…父は二人の結婚を許しそうにはない。なんだか二人が不憫だ。今日だってせっかくの休みを潰してきてくれたというのに。
夕食のときに「プレゼントを持ってきてくれたのはありがたいが、どういうつもりなんだあいつは!」と怒っていた父を見て、頑固者で頭でっかちなんだよなぁとため息をつかざるを得なかった。そして確実に私はその血を受け継いでいると思う。(溜息)
親の気持ちは、親になってみないとわからないものだと言うけれど、私が親なら一度は信じてみるけどな。こういうところが甘いっていわれるのかな。
なんてことを思った今日この頃。ちょっと疲れた。そうだ、父よ、ちょっとのオカネしかあげられなくてごめん…。